Risoluto
英国プレミアリーグ擬人化+αの無法地帯。
夢のお話
貴女を守りたかった / ユナイテッド
***
先日、キャラがもさもさ出てくる感じの乙女ゲームやる夢見たので、派生落書きしてみたお話。
夢の中では自分視点なのですが、EDっぽい雰囲気になった後、部屋で姉に「ゲーム二週目今日中に終わらせようと思う。誰のルートクリアするか迷ったけど、とりあえずユナイテッドにしよっかな」とか言ってた辺りを見ると、完全にゲーム中のヒロインを通した視点だったんだろうな…って。
まぁ夢なので視点コロコロ変わったりするのは仕方ない(笑)
設定としては、ヒロインが王宮の姫設定で、王宮の騎士団?がいくつかあって、各々の騎士団のTOPにアーセナルとかユナイテッドとか、エヴァートンとかが居る感じ。
(たぶん他のキャラも居たんだと思うけど、夢の中で認識できたのはこの辺。エヴァートン攻略できたのか凄く謎です…。そして夢の中の私は迷わずユナイテッドルート行ってたね…。アーセナルサポーターなのに完全にスルーしてたな…/笑)
王宮内、ヒロインを中心に最初の方は凄く和気藹々としてて、平和的な感じだったんだけど、中盤から雲行き怪しくなってきて、終盤は革命?みたいなのが起こって、王宮陥落するって感じの流れ。
夢の中で凄く印象に残ってるシーンはユナイテッドルート(しか分かりませんが…)で、ユナイテッドが「王宮は陥落するから、馬車に乗って貴女は逃げてください」って言うシーン。
凄く印象的で目が覚めたときに「あれ?ユナイテッドめっちゃかっけぇところ取ってんじゃん…」って思って、イラストに書き起こしたけどこれじゃない!!コレジャナイ感半端ない!!
あ、ちなみに1週目は基本的にヒロインのみ生存で、あとのキャラは全員死亡というED。二週目からは、救済できる感じでした。
ただし、私の場合は1週目が終わって、二週目に入った段階で目がさめちゃったので、ちゃんとしたEDは分かりません!
救済EDよりも、エヴァートン攻略できたの…?ねぇ、あの女性恐怖症は攻略できたの?
凄く気になる。
追記にてユナイテッドルート終盤の覚書という名の小話。
【王宮陥落直前:ユナイテッドルート(の台詞覚え書き)】
遠くで、応戦する声が聞こえる。
今にも王宮内へ立ち入らんとばかりに押し入る人々。
それを踏み込ませまいと守る兵。
轟くような声と刃の交わる音は、私を恐怖に陥れるには十分だった。
静かに身震いする私を落ち着かせるように、目の前の彼が優しく諭すような口調で語りかける。
「今、城の裏に馬車を待機させています。貴女はそれに乗って、郊外へ逃げてください。御者は信頼できる人物に頼んであります」
「え……? 嫌です。嫌……! 私もここで一緒にみんなと戦います」
「いけません。貴女を守りながら戦えるほど、今の騎士団に余裕はない」
「守って貰わなくて結構です! 私だって……」
私の言葉は、最後まで続かなかった。
目の前の彼の寂しそうな瞳を見て、つい口をつぐむ。
私の言葉が途切れたのを確認した後、彼は懇願するように、私に語りかける。
「最後くらい、私を困らせるのは止してください。私達の仕事は、貴女を守ることです。貴女が生きていさえすれば、いつかこの王宮は力を取り戻すでしょう。これは敗北ではありません。いつかの再生の為の撤退です」
「じゃあ……じゃあユナイテッドさんも、一緒に来てください……。私と、一緒にいてください……!」
今にも泣きだしそうな私に向かって、いつもと変わらぬ落ち着いた声で、彼は続ける。
「私は、ここで皆と戦い続けなくては。自分の部下を置いて姫の護衛に付いたりなんかしたら、彼らに叱られてしまいます」
外で刃を交える音が、さっきよりも近い場所で感じ取れた。
もう時間がない。
私にさえ、容易に分かった。
「さぁ、もう行かなくては。姫、場所は分かりますね? 中庭を抜けて、左手の階段を下ってください。裏門を抜けた先で馬車を待機させています」
「……うん。ねぇ……ねぇ、ユナイテッドさん。また、会えますよね……? またみんなと、お茶したり、お城の中でかくれんぼしたり……できますよね?」
私の問いかけに、少しの沈黙の後、彼はいつもの優しい微笑みで口を開いた。
「……えぇ。貴女がそれを願うのなら、きっと」
*
王宮の裏門から続く森の中を、私一人を乗せた馬車が走る。
御者は黙して語らず、ただ少しでも早く郊外へと辿り着けるよう、馬に鞭を打った。
遠くで、炎の音と人々の雄叫びが聞こえる。
馬車の窓から、辿ってきた道のりの先をそっと覗くと、真っ赤に燃え上がる王宮が目に焼き付いた。
これは、再生の為の撤退。
いつの日か、あの幸せな日々を取り戻す為の……。
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