Risoluto
英国プレミアリーグ擬人化+αの無法地帯。
Who killed *** 01
ランタンをひとつ手に持ち、地下へと続く螺旋状の階段を下る。
唯一の窓は鉄格子で遮られ、闇夜に浮かぶ月が見えるだけ。
奈落へと続いているような錯覚さえ起こす。
長く続く階段の先、一つの扉が見えた。
迷いなく、その扉を開く。
部屋の中には8つの椅子、そして中央には大きなテーブルがひとつ。
そこに座る全員の視線を一度に浴び、俺は一瞬足を止める。
何だ、もう全員揃っていたのか。
足早に自分の席へと向かい、着席すると同時に、マンチェスター・ユナイテッド―まぁ俺はユナと呼んでいるが―が口を開く。
「……全員揃いましたね。始めましょう」
その重い口振りに部屋が緊迫するのが分かった。
尤も、感じたのは空気だけだ。
部屋の中はいくつかのランタンが照らしているだけで、表情まではよく見えない。
「昨夜、また一人襲われました。昨日ここで彼女が言ったことを覚えていますか?
この部屋に居るのは、占い師が一人、騎士が一人、そして」
ユナが一呼吸置いたとき、俺の隣に座るスパーが口を開く。
ちなみにスパーは愛称だ。トッテナム・ホットスパー。長いのでスパーと皆呼んでいる。
「人狼が二人……だっけ?」
「そうですね」
丁度俺の向かいにある、一つの空席。
それが昨夜の惨状を物語っていた。
俺の前に昨日まで確かに座っていたのはニューカッスル・ユナイテッド。
俺たちの中では唯一の紅一点だったが、今はそんな話はどうでもいい。
隣で、ニューカッスルが座っていた場所へ向かって、スパーが手で十字を切るのが見えた。祈りか。成程。
それが終わったのを見た後、ユナが続ける。
「私たちが課せられた任務は人狼の抹殺。この中で怪しいと思う者を今夜もひとり、
処刑しましょう。何か……意見がある者は?」
一瞬の沈黙。
その沈黙を破ったのは、マンチェスター・シティだった。
シティは少し笑いながら、手を上げて発言した。
「今夜の処刑? 簡単だよ。俺、見たからさ」
「見た? 何をだよ」
シティの向かいに座るアーセナル。皆からはガナーと呼ばれているがこれも愛称だ。
コイツの愛称の説明はまぁ色々あるが今回は省く。とりあえずガナーがシティに問いかけた。
「人狼だよ。ソイツを調べたのはまぐれだけど。ねぇ……リヴァ?」
少し含みのある言い方で、シティがリヴァプールを名指しする。
リヴァプールは言うなれば俺の弟みたいな存在だ。愛称はリヴァ。
「は……? 僕?」
「そう。君、狼だよね?」
「なっ。何言ってるの……? 僕は違う! 僕は違う!!!」
「シティは嘘付いてる!! だって僕が占い師だもん!」
リヴァの悲痛な叫びに便乗ずるように、ガタンとチェルシーが立ち上がった。
チェルシーはどうやら自分が占い師だと自称するようだ。成程、どういうことか。
「へぇ? リヴァが黒って分かった瞬間に庇うような発言をするね?」
「庇ってないよ。僕はリヴァが狼かなんてわからない。
だけど、シティ、君が嘘をついてるのは分かる」
「まぁ、俺もチェルシーが嘘をついてるのは分かるけど?
まぁいいや。で、君は誰を占ったの?」
「……スパーは人間だって……」
チェルシーの発言を聞いて、シティが徐にため息をついた。
そして"聞いてる皆は混乱してきそうだから、整理しよう。"
そう告げて、机に頬杖をついた。
「……俺の見解から一通り述べるね? まず、俺はリヴァが
黒なのを見た。彼は確実に人狼だ。
もう一人は分からなかったけど、チェルシーが嘘をついた時点で、
限りなく黒に近づいた。
あとで質問が来そうだから先に言うと、チェルシーが何故俺を人狼だと
言わずにスパーを白だと言い張ったかと言うと、仲間を増やす為だと思うね」
「仲間?」
スパーの疑問に、シティが続ける。
「そう。現段階で誰の目から見てもスパーは限りなく白に近い。
俺はリヴァとチェルシーが人狼だって疑ってるし、まぁスパーは白かなとも思ってる。
スパーが本当に人間だったら、チェルシーの占いを信じる事だってありうる」
「……あぁ」
「それが二人の……いや、チェルシーの狙いって訳。
処刑する人を決めるのは投票だ。リヴァとチェルシーは今夜俺に投票するに決まってる。
スパーを上手く丸め込んで、味方に付ければ俺に三票。この人数で三票なら
ほぼ処刑は確定だ。二人としては邪魔な占い師が消えて、万々歳ってワケ」
「ちょっと待って! シティのいう事に騙されちゃだめだよ!!」
ガタリとチェルシーが音を立てて立ち上がる。
その勢いで、椅子が後ろに倒れた。
「まぁ待て。とりあえず、シティの考察とやらを一通り聞いてみないか?」
反撃しようとしたチェルシーを制止するように、俺は静かな声で告げる。
悔しそうに唇を噛みしめ、チェルシーは席に着く。
「現段階での最悪のパターンとしては、みんなの票がリヴァとチェルシーに
分散した挙句、二人若しくは他の人が便乗して人間を……
まぁこの場合俺が一番可能性的には高いわけだけど、吊っちゃうって事」
「成程。で、シティ。あなたはリヴァプールとチェルシー、どちらを吊ると?」
「俺の目から見るとリヴァは100%黒。チェルシーも90%くらいは黒。
確実性を狙うならリヴァかなぁとは思うけどね。まぁ俺が偽物の占い師の
占いとやらを明日も聞きたいって言うのもあるけど」
***
一夜毎に行くかと思ったら予想外に長いので切る……。
キャラが多いうちは誰がしゃべってるかわかんないなー。
三人称の神視点だとさらに分からなくなりそうなのと、意外と一人称も楽しいんじゃないかなーと某キャラ視点で行ってみようかと思います。
シティがよく喋るのは仕方ない……。
***
追記
ウォオオオオあとで考えたけど人数足りないこれうわぁあああ
初日噛みさせるんじゃなかった…ニューカッスル…いき、て……。
ニューカッスル入れてもあと1人足りない感満載なので、多分これ以上続かないですごめんねごめんねー!!!!
唯一の窓は鉄格子で遮られ、闇夜に浮かぶ月が見えるだけ。
奈落へと続いているような錯覚さえ起こす。
長く続く階段の先、一つの扉が見えた。
迷いなく、その扉を開く。
部屋の中には8つの椅子、そして中央には大きなテーブルがひとつ。
そこに座る全員の視線を一度に浴び、俺は一瞬足を止める。
何だ、もう全員揃っていたのか。
足早に自分の席へと向かい、着席すると同時に、マンチェスター・ユナイテッド―まぁ俺はユナと呼んでいるが―が口を開く。
「……全員揃いましたね。始めましょう」
その重い口振りに部屋が緊迫するのが分かった。
尤も、感じたのは空気だけだ。
部屋の中はいくつかのランタンが照らしているだけで、表情まではよく見えない。
「昨夜、また一人襲われました。昨日ここで彼女が言ったことを覚えていますか?
この部屋に居るのは、占い師が一人、騎士が一人、そして」
ユナが一呼吸置いたとき、俺の隣に座るスパーが口を開く。
ちなみにスパーは愛称だ。トッテナム・ホットスパー。長いのでスパーと皆呼んでいる。
「人狼が二人……だっけ?」
「そうですね」
丁度俺の向かいにある、一つの空席。
それが昨夜の惨状を物語っていた。
俺の前に昨日まで確かに座っていたのはニューカッスル・ユナイテッド。
俺たちの中では唯一の紅一点だったが、今はそんな話はどうでもいい。
隣で、ニューカッスルが座っていた場所へ向かって、スパーが手で十字を切るのが見えた。祈りか。成程。
それが終わったのを見た後、ユナが続ける。
「私たちが課せられた任務は人狼の抹殺。この中で怪しいと思う者を今夜もひとり、
処刑しましょう。何か……意見がある者は?」
一瞬の沈黙。
その沈黙を破ったのは、マンチェスター・シティだった。
シティは少し笑いながら、手を上げて発言した。
「今夜の処刑? 簡単だよ。俺、見たからさ」
「見た? 何をだよ」
シティの向かいに座るアーセナル。皆からはガナーと呼ばれているがこれも愛称だ。
コイツの愛称の説明はまぁ色々あるが今回は省く。とりあえずガナーがシティに問いかけた。
「人狼だよ。ソイツを調べたのはまぐれだけど。ねぇ……リヴァ?」
少し含みのある言い方で、シティがリヴァプールを名指しする。
リヴァプールは言うなれば俺の弟みたいな存在だ。愛称はリヴァ。
「は……? 僕?」
「そう。君、狼だよね?」
「なっ。何言ってるの……? 僕は違う! 僕は違う!!!」
「シティは嘘付いてる!! だって僕が占い師だもん!」
リヴァの悲痛な叫びに便乗ずるように、ガタンとチェルシーが立ち上がった。
チェルシーはどうやら自分が占い師だと自称するようだ。成程、どういうことか。
「へぇ? リヴァが黒って分かった瞬間に庇うような発言をするね?」
「庇ってないよ。僕はリヴァが狼かなんてわからない。
だけど、シティ、君が嘘をついてるのは分かる」
「まぁ、俺もチェルシーが嘘をついてるのは分かるけど?
まぁいいや。で、君は誰を占ったの?」
「……スパーは人間だって……」
チェルシーの発言を聞いて、シティが徐にため息をついた。
そして"聞いてる皆は混乱してきそうだから、整理しよう。"
そう告げて、机に頬杖をついた。
「……俺の見解から一通り述べるね? まず、俺はリヴァが
黒なのを見た。彼は確実に人狼だ。
もう一人は分からなかったけど、チェルシーが嘘をついた時点で、
限りなく黒に近づいた。
あとで質問が来そうだから先に言うと、チェルシーが何故俺を人狼だと
言わずにスパーを白だと言い張ったかと言うと、仲間を増やす為だと思うね」
「仲間?」
スパーの疑問に、シティが続ける。
「そう。現段階で誰の目から見てもスパーは限りなく白に近い。
俺はリヴァとチェルシーが人狼だって疑ってるし、まぁスパーは白かなとも思ってる。
スパーが本当に人間だったら、チェルシーの占いを信じる事だってありうる」
「……あぁ」
「それが二人の……いや、チェルシーの狙いって訳。
処刑する人を決めるのは投票だ。リヴァとチェルシーは今夜俺に投票するに決まってる。
スパーを上手く丸め込んで、味方に付ければ俺に三票。この人数で三票なら
ほぼ処刑は確定だ。二人としては邪魔な占い師が消えて、万々歳ってワケ」
「ちょっと待って! シティのいう事に騙されちゃだめだよ!!」
ガタリとチェルシーが音を立てて立ち上がる。
その勢いで、椅子が後ろに倒れた。
「まぁ待て。とりあえず、シティの考察とやらを一通り聞いてみないか?」
反撃しようとしたチェルシーを制止するように、俺は静かな声で告げる。
悔しそうに唇を噛みしめ、チェルシーは席に着く。
「現段階での最悪のパターンとしては、みんなの票がリヴァとチェルシーに
分散した挙句、二人若しくは他の人が便乗して人間を……
まぁこの場合俺が一番可能性的には高いわけだけど、吊っちゃうって事」
「成程。で、シティ。あなたはリヴァプールとチェルシー、どちらを吊ると?」
「俺の目から見るとリヴァは100%黒。チェルシーも90%くらいは黒。
確実性を狙うならリヴァかなぁとは思うけどね。まぁ俺が偽物の占い師の
占いとやらを明日も聞きたいって言うのもあるけど」
***
一夜毎に行くかと思ったら予想外に長いので切る……。
キャラが多いうちは誰がしゃべってるかわかんないなー。
三人称の神視点だとさらに分からなくなりそうなのと、意外と一人称も楽しいんじゃないかなーと某キャラ視点で行ってみようかと思います。
シティがよく喋るのは仕方ない……。
***
追記
ウォオオオオあとで考えたけど人数足りないこれうわぁあああ
初日噛みさせるんじゃなかった…ニューカッスル…いき、て……。
ニューカッスル入れてもあと1人足りない感満載なので、多分これ以上続かないですごめんねごめんねー!!!!
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